幼なじみとナイショの恋。
音のした方に歩みを進めていくと、崖になっている道の脇に辿り着いた。
足を滑らせないよう、恐る恐るその崖を覗き込めば。
「こ、古賀さん!!!」
崖下で膝を抱え佇んでいる古賀さんを発見した。
古賀さんは私に気が付くと、目を見開き驚いた様子。
「……は?あんた、何でここに……」
「ま、待ってて古賀さん!!今助けるから!!」
「ちょっ……待っ……!!」
意を決して、私は古賀さんがいる崖下まで滑り下りる。
崖はかなりの急斜面になっていて、滑り下りる際に、派手に手を擦りむいてしまった。
だけど、その痛みなんか感じないくらい、目の前にいる探していた人の姿に心底ホッとして……。
私は重大なことに気づいていなかったんだ。
「古賀さん!!よかった!!見つかってよかった!!怪我はない?どうしてこんなとこに……」
「全っっ然よくない!!!」
「へ?」
私なんかが来たところで、喜んでもらえるとは思っていなかったけど、古賀さんはなぜかご立腹のようで……。
私が目を瞬かせ、首を傾げれば。
「あんたバカなの!?あんたまで下に降りてきたら、どうやってこの崖を登るのよ!!!」
「あ」
言われてみれば……なんて、悠長に納得している場合じゃない。