幼なじみとナイショの恋。

膝を抱える手に力がこもる。



「謝らないでよ。そういうのウザイんだけど」


「う……。ご、ごめ……」


「そもそも、ダメなのは私じゃん。あんたは巻き込まれただけでしょ」



木にもたれかかり、どこか一点を見つめる古賀さんの横顔は凛としていて、狼狽えている様子はない。


それに比べて私は……。



もう、古賀さんと仲良くなりたいって思うことすら申し訳なくて涙が出そうになる。



「あんたってさ、思ってたのと違うよね」


「え?」



古賀さんが、ちゃんと私を見てくれたのは初めてかもしれない。


蔑むでもなく、怒るでもなく。


真っ直ぐに私を見てくれている。



「もっと頭いいヤツかと思ってたのに、意外に鈍臭い」


「……う……そ、その通りです……」



自覚ありで、否定もできない。


本当に呆れちゃうよね。



「内気なヤツかと思えば、意外につっかかってくるし、尾上の後ろに隠れてばっかいるかと思えば、結構一人で無茶するし……」



……あれ?



「本当に変なヤツ」



うそ……。


古賀さんが、笑ってる。



「古賀さん……」


「この間はごめん。あんたのことなんにも知らないのに、勝手に決めつけて酷いこと言った」


「う、ううん!!」


「似てると思ったんだ。昔の私に。だから何か見ててイライラした」



昔の古賀さんに……?
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