みんとキャンディ
「皇兄おかえり」


「おかえり兄貴。早いな」


「ただいまぁ~皇にぃ~」



「おかえりだろっ。覚えろっ」



皇楽に連れられてやってきた一軒家。



玄関を開けるなり現れた顔ぶれに、聖梨は目が点になった。



皇楽を小さくしたような男の子に、



綺麗な顔した中学生くらいの女の子。



一番自分たちと歳の近そうな男の子も、やっぱり皇楽と似た顔立ちをしていた。



言うまでもなく、



皇楽の妹弟たち……。



「皇兄! その人誰~?」



妹、藍楽(あいら)は皇楽の傍らに立つ聖梨を見つけるなり目をランランとさせながら皇楽に尋ねた。



「臨時家政婦」



皇楽はこう言って、藍楽に答えながらさっさと家の中へと入っていく。




そんな皇楽に、嬉しそうにまとわりつく末っ子、朗楽(ろうが)。



玄関で呆然と皇楽の背中を見つめる聖梨に、



「さっさと入って働けっ。デカ女」



朗楽を片手に抱き上げた皇楽が、鬱陶しそうな顔で振り返り促した。



言われるままに玄関に上がれば、二つの視線がこちらに向けられている。
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