みんとキャンディ
それがピッタリ合ってしまうのも、



着ていても違和感が無いことも、



聖梨にとっては恨めしくて仕方なかった。



「動いたよ! 行こう! ひぃちゃん」



こうして、藍楽の彼氏となり、皇楽のデートを尾行することとなった。





指を絡めて手を繋ぎ、



ずっと笑顔で話を交わす皇楽と彼女。



色んなお店を見たり入ったり。



どこにでも居るようなカップルのデート風景を、



「何あの作り笑顔……。あんな皇兄気持ち悪い~」



「……はぁ」



ひたすらの愚痴と、ひたすらのため息で見つめ続ける聖梨と藍楽。




「……藍楽ちゃん。帰ろ」


「えっ? ちょっとひぃちゃん!」



呼び止める藍楽も聞かずに、聖梨はその場から駆け出して行ってしまった。



休日のショッピング街に溢れかえる人波で、



はぐれてしまうのにそう時間はかからなかった。




家族連れやカップルで賑わうショッピング街を、トボトボと歩いていく。



不意に見上げたショーウィンドウには、



自分には到底似合いそうもない、スカートやワンピースが沢山飾られていた。
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