みんとキャンディ
今日の雄楽は、朝からずっとソワソワしていた。




ソワソワの原因は三日前。





たまたま部活が早く終わって帰ってみれば、



バイトで居ない皇楽の代わりに、洗濯物を畳んでいるはずの藍楽がリビングに居ない。




どうせ自分の部屋でサボってるんだろうと、



「藍楽っ。洗濯物……」



一言言ってやろうと藍楽の部屋に向かえば、



「やっぱり……短いよ……藍楽ちゃん」



聞き覚えのある声に、雄楽の足は藍楽の部屋の手前で完全に止まった。




ドアノブに手を伸ばしたまんま固まってる雄楽を、




「雄兄おかえり~! ちょうど良かったよっ!」




中から扉を開けた藍楽がテンション高めに招き入れた。




半ば無理矢理に入れられた部屋で、




雄楽は目を見張った。



「どう? ひぃちゃん可愛いでしょっ?」


「……やめてよ藍楽ちゃん~」



そこに居るのは、



丈の短めなチュニックに、ショートパンツとニーハイソックスを合わせた聖梨の姿。



いつもはほとんど手のつけられていない髪もアップでまとめられ……、



一言で言えば、



「可愛いでしょ?」



なのだ。
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