みんとキャンディ
「自分がかけた電話に出るわたしをどっからか見て……会わないで帰ったみたい」



自嘲気味に笑う聖梨を見つめる雄楽の目が鋭くなっていく。



「そしたらすぐに優季からドタキャンのメールが入って」



問いただす聖梨に、折れた優季が教えてくれたドタキャンの本当の理由。




「自分とほとんど変わんない身長の女の子なんて恥ずかしくて一緒に歩けないんだって」



言い終わった途端、



聖梨が腕の中のきりんのぬいぐるみに顔を埋めた。



「会ってもないのに失恋しちゃうんだよ……」



長身の女の子が好きだと言っていたはずの相手すら、



自分を選んではくれなかった……。



「皇楽くんが言った通り……やっぱりわたしじゃ恋愛対象にならないんだよ……」



きりんのぬいぐるみに顔を埋めていた聖梨の肩が小さく震えていた。




どうして聖梨の魅力もわからない男の身勝手な行いのせいで、聖梨自身が傷つかなければいけないのか……。



悔しげに唇を噛み締めた雄楽が、



行き場のない怒りで、拳を力一杯握り締める。



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