みんとキャンディ
「こんな身長……要らないよ……」



聖梨の足元を点々と濡らしていく雫に、



雄楽は握り締めていた手を聖梨に伸ばした。




「要らなく無いだろっ。……今の聖梨だから……俺は聖梨が好きなんだっ」



こう言って聖梨に伸ばした手で、雄楽は聖梨の右手を握った。



雄楽のほのかに赤らんだ頬と、



真っ直ぐに自分を見据える力強い視線に、



聖梨は弾かれたように顔を上げ、



涙でグチャグチャに潤んだ瞳を雄楽に向けた。




「身長がデカかろうと関係ねぇよっ。聖梨は女だ。……俺が聖梨を守るっ」




ありったけの気持ち全部を込めて、



雄楽が聖梨に伝えた言葉は、



泣き顔の聖梨を、




嬉しそうな笑顔に変えていた。




この笑顔に、胸が張り裂けそうなくらいの喜びを覚えるのは自分だけでいい。




そして、




この笑顔を守るのもまた自分だけでいい……。




手のひらを介して伝わってくる聖梨の温もりに誓う、




雄楽の決意だった。


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