みんとキャンディ
「熱は?」



ベッドのすぐ傍まで寄って来た雄楽が、



潤んだ瞳で見上げてくる聖梨の額に、そっと手を伸ばした。



「まだ熱いな。……食欲は?」



まだ熱い聖梨の額に眉を顰め、雄楽の右手はそのまま聖梨の頭を優しく撫でた。



心配そうに自分を見つめる雄楽に、



いつもより近くに居る聖梨が少し、体重を預けた。



「……病気のときって、なんで心細いんだろってずっと考えてたの」



いつもは自分より少し上にある聖梨の顔。



胸元にもたれた聖梨の口から呟かれる声を、



雄楽は高鳴りそうな心臓を必死に抑え、耳を傾けていた。




「多分……会いたい人が居るからだって思った。……今」




だから、雄楽くんが来てくれたら安心したっ。




こう続けて少し声を弾ませた聖梨が、



真上にある雄楽の顔を見上げる。




目を丸くした雄楽と視線が合うなり、




聖梨はにっと笑顔を浮かべた。




雄楽は思う。




もしかしたら、




聖梨に想われたいという欲は、



満たされるのではないか……?
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