みんとキャンディ
小さい頃からずっと、



追いかけていた背中がある。



一つしか変わらない兄は、



いつだって自分より前に居て、




何一つとして越えることが出来なかった。



そんな皇楽に雄楽が抱いていたのは、



憧れと嫉妬。



いつだって自分を越えさせない兄に憧れ、



いつだって越えられない兄に嫉妬していた。




そんな兄の背中を追いかけて始めたサッカー。



両親の離婚によって、女手一つで四人の子どもを育てる母に代わり、



皇楽が主婦業を受け持つことになり、



皇楽はサッカーを辞めてしまった。




弟妹が不自由しないように、主婦業を一人でこなす皇楽と、




見えなくなった背中を追いかけてサッカーを続ける自分。




やっぱり敵わない皇楽に、




聖梨だけは手に入れたい




雄楽の意地とプライドがあった。





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