みんとキャンディ
小学校の頃から、瑞香はずっと雄楽を見つめ続けていた。



中学の時、



雄楽に彼女が出来たが、



どうせ続かないだろうという自信が、瑞香にはあった。



それは、雄楽が彼女のことを想っているようではなかったから。



案の定、二週間程度で雄楽は彼女と別れた。



しかし、今回は違っていた。



前との決定的な違いは、雄楽の気持ち。



あまり自分のことを話したがる方ではない雄楽に、



ハッキリ好きだと言わせた聖梨への想い。



雄楽にここまで言わせる聖梨が羨ましくも疎ましかった。




「じゃあ……雄楽は、高月先輩の為ならレギュラー捨てられるんだ」



俯いた瑞香が低く呟き、服の裾をギュッと握り締めた。



「捨てられる。俺の一番は聖梨だから」



瑞香が一番聞きたくなかった答え。



それを何の躊躇いも無く答えてしまう雄楽に、



瑞香はショックと腹立たしさで足が震えた。




「雄楽はバカだよっ。急に現れたあの人の為に、ずっと続けてきたサッカー捨てられるって……言って欲しくなかった」

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