みんとキャンディ
「雄楽くん?」



キャプテンから言い渡された自宅謹慎で、部活に出ていなかった雄楽を訪ねた。



自分の部屋の床に座り込み、



ぼんやり視線を浮かせた雄楽に呼びかける。



入り口から現れた思いがけない訪問者に、



雄楽は目を丸くして聖梨を見上げていた。



痣になった口元に貼られた絆創膏が痛々しい……。



雄楽の目の前に座り込んだ聖梨が、



不安げに雄楽の口元に手を伸ばした瞬間、



「……後悔してないからっ」



伸ばされていた聖梨の手を引き、



自分の方へと引き寄せた雄楽が、



こう言って聖梨を力強く抱き締めた。



「……誰に聞いた?」


「マネージャーさん……。雄楽くん」



雄楽の胸元から顔をそっと上げ、



聖梨が雄楽に視線を合わせる。



「雄楽くん。今、雄楽くんが守るのはレギュラーだよ」



わたしなら大丈夫っ。



こう言って笑いかける聖梨を、



雄楽は怪訝そうに見下ろしていた。




「わたしが一番望んでるのは……雄楽くんのレギュラーだよ」



「俺はレギュラーより聖梨が大事だ」
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