黄色い花
その日の夜、雨雲が僕の街を怪しく包んだ。
僕はあの黄色い花が気になって仕方がなかった。
次の日の朝、家を少し早く出て学校へと足を運んだ。

席へ座り、あの黄色い花を見る。
花はベタベタと濡れ、もうボロボロだ。

誰もいないと思っていたはずの教室の後ろから、鼻をすする音がする。杉山さんだ。


杉山さんは泣いている。
強くはなかった。
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