恋する乙女~パーフェクト王子VSヤンキー王子~
すると蓮先輩は、クスッと辛そうな
表情で笑った。
「フッ……出来る訳がないだろう。
あいつは、俺が殺したようなもんだ。
親父もそれを知ってか言われたよ!
『お前のせいで、雅を死んだんだ。
お前が殺したんだ』ってな」
そんな酷い。
ワザとではないのに……。
「それから、蓮様は、ずっと
自分と雅様の2役を演じ続けさせられたんだ」
安森先輩がそう言ってきた。
「本当…笑っちゃうよな。
俺が俺として生きられないなんて
雅を上手く演じられ無いと殴られ
自分自身を否定されて」
「…蓮先輩…」
「だから、演じやすいように
ヤンキーと優等生を演じ分けていたんだ。
ヤンキーだと反抗も兼ねて好き勝手も出来るし
財産が手に入れば
親父も文句は、言わないだろうしな。」
「でも、そんな事したら蓮先輩が…」
自分自身を否定しているみたいじゃない。
「別に…俺なんて財産を手に入れる事しか
必要とされて無いんだし。
ヤンキーとして落ちこぼれになっても仕方がない。
ただ……」