君と特別な日を過ごす方法 ~長谷川誠の苦悩~
「弘樹?何を言ってるんだよ」
『誠。落ち着いて聞けよ』
「ああ」
『今日は何月何日だ?』
はあ?急に何……を?え?
え??!!
ウソだろ??
俺は目の前のスマホに映し出された日付に唖然とした。
3月17日 火曜日
映し出された日付は何度見ても変わるはずもなかった。
『気づいたな……マジで忘れてただろ』
言葉の出ない俺に弘樹は言葉をつづけた。
『ホワイトデー連絡もしなかったって?莉乃ちゃんは忙しいから仕方ないって言ってたみたいだけど、香織がめちゃくちゃキレてるよ』
弘樹の言葉の後半は殆ど聞こえてなかった。
やばい!どうして俺ってこうなんだよ!何が女慣れしていて、百戦錬磨だよ!
何か電話の向こうで聞こえる弘樹の声を無視して、俺は通話終了ボタンをおしていた。