君と特別な日を過ごす方法 ~長谷川誠の苦悩~
「どうしても、莉乃を小豆島に連れてきたかった」

「ああ、あの約束?覚えていてくれたの?」

まだ付き合う前に、一緒にみた雑誌の小豆島と淡路島の特集。それにいつか一緒に行きたいね。
そう言った莉乃の言葉を思い出した。

「そのために必死に仕事をしてたら、いつもみたいにどんどんアイデアが湧いて……本当にごめん」

泣きそうになっていった俺に、莉乃はそっと俺の頬に手を触れた。

「ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ」
チュッとキスをされて俺は、もう一度莉乃を抱きしめた。

「ねえ、誠?私にとって特別な日はね、どんなプレゼントをもらう事でもなくて、誠と過ごす普通の日々だよ?それを覚えておいて」

莉乃の言葉に、心が温かくなる。
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