イジワル専務の極上な愛し方
専務は私の苦手なタイプです
「彩奈(あやな)って、いいよね。イケメン専務の秘書なんだから」
出勤時、エレベーターで一緒になった同期にそう言われ、苦笑いをするしかなかった。
私の仕事は、大手メディア企業の専務秘書。専務は、真中翔太(まなか しょうた)さんといって、二十八歳の若きイケメン御曹司だ。
お父さんが社長で、二歳年上のお兄さんは副社長をやっている。副社長も、社内で有名なイケメンさん。
たしか、年子の弟さんもいるはずで、今はグループ会社の副社長をしているとか。
とにかく、華麗な家庭環境にいる人で、さらに見た目も完璧だから、女子社員で狙っている人は多い。
彼の少し垂れた目元は綺麗な二重まぶたになっていて、鼻筋は通り適度な厚みの唇をしている。
真っすぐ上がった眉が、甘さのなかにもキリッとした印象のあるルックスを演出していて、アイドル顔負けの華やかさがあった。
だから、そんな専務の側にいる私が、傍目から見たら羨ましいらしい。
だけど、現実はそんなに綺麗じゃない……。
「あー、そうだねー。一緒に、レストランに行こうか? また、電話するよ」
電話を切った専務は、途中になっていた食事を終わらせた。ここは、取引先からの帰り道にあるオーガニックカフェのお店。
そこで、私たちは遅い昼食を取っていた。
「専務、本当に電話をされるんですか?」
食後のカフェラテを飲みながら、半ば呆れたように彼を見る。すると、専務は涼しげな表情で首を横に振った。
「いいや。会う気もないから」
まただ……。曖昧なことを言って、自分に言い寄る女性を交わすのだから……。
出勤時、エレベーターで一緒になった同期にそう言われ、苦笑いをするしかなかった。
私の仕事は、大手メディア企業の専務秘書。専務は、真中翔太(まなか しょうた)さんといって、二十八歳の若きイケメン御曹司だ。
お父さんが社長で、二歳年上のお兄さんは副社長をやっている。副社長も、社内で有名なイケメンさん。
たしか、年子の弟さんもいるはずで、今はグループ会社の副社長をしているとか。
とにかく、華麗な家庭環境にいる人で、さらに見た目も完璧だから、女子社員で狙っている人は多い。
彼の少し垂れた目元は綺麗な二重まぶたになっていて、鼻筋は通り適度な厚みの唇をしている。
真っすぐ上がった眉が、甘さのなかにもキリッとした印象のあるルックスを演出していて、アイドル顔負けの華やかさがあった。
だから、そんな専務の側にいる私が、傍目から見たら羨ましいらしい。
だけど、現実はそんなに綺麗じゃない……。
「あー、そうだねー。一緒に、レストランに行こうか? また、電話するよ」
電話を切った専務は、途中になっていた食事を終わらせた。ここは、取引先からの帰り道にあるオーガニックカフェのお店。
そこで、私たちは遅い昼食を取っていた。
「専務、本当に電話をされるんですか?」
食後のカフェラテを飲みながら、半ば呆れたように彼を見る。すると、専務は涼しげな表情で首を横に振った。
「いいや。会う気もないから」
まただ……。曖昧なことを言って、自分に言い寄る女性を交わすのだから……。
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