イジワル専務の極上な愛し方
「私の人間性ですか……?」

「そうだよ。そのままの田辺さんに惹かれた。それは、理由にはならないのか?」

真剣な口調で言われ、胸がドキドキしてくる。専務が軽い気持ちで言っているわけではないことは、十分伝わってきた。

今夜、話があると言っていたのは、このことだったのかと思うと、予想外のこと過ぎてまだ少し混乱している。

だけど、専務がこんなに真っすぐに思いを伝えてくれたのだから、私も誠実に答えなくちゃいけない。

「私は、専務を恋愛対象として見ていたことはなかったんです。そもそも、秘書ですし……」

「もちろん、分かってる」

「だから、告白をしていただいて、とても驚いているんです」

「それもよく分かってるよ」

優しい口調の専務に、私は恥ずかしさを覚えながらも続けた。

「正直、専務と恋人同士になるのを想像できないんです……。あまりに、雲の上の方ですし……」

「田辺さんなら、きっとそう感じてるだろうと思っていたよ。じゃあ、俺のことは恋愛対象として見られない?」

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