イジワル専務の極上な愛し方
「そんな目で見るなって。そろそろ部屋を出ないとマズイだろ? 早く教えてくれないか?」

私の気持ちなんてまるで意に介した様子もなく、祐一さんはそう言う。連絡先を教えたくはないけれど、ここで拒否をしたら本当に今後の取引に影響をするの……?

そんな乱暴な話があるわけないと思いつつ、目の前の彼は私が知っている彼ではないことにも気づき心が揺れる。

たとえ連絡先を教えたとしても、私が無視をすればいいんだ……。とにかく今は、翔太さんの仕事に影響しないようにしなければ。

「分かりました。メールアドレスでいいですか?」

「まさか、電話番号も両方教えて」

やっぱり、アドレスだけってわけにはいかないか……。落胆しながらも、番号を伝える。

祐一さんは、自分のスマホから私のスマホへ電話をかける。でも私は、鞄に入れてあるそれを確認するつもりもなかった。

「俺の番号も、登録しておいて。メールも、あとで送っておく。じゃあな」

彼は不敵な笑みを向けると、部屋を出ていった。

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