イジワル専務の極上な愛し方
「翔太さん……」

独り占めって、私は翔太さんの彼女なのに……。彼の言葉を聞いて、祐一さんが頭をかすめた。

もしかして翔太さんは、私が思っているよりずっと、祐一さんのことを気にしてる……?

そんなことはなさそうな口ぶりだったけれど、違うのかもしれない。

私ってば、彼の言葉を鵜呑みにして、前向きな人だと思い込んでいた……。きっと、それは違うのに。

そう思うと、彼への愛おしさが込み上げてくる。寝室へ連れていかれ、ベッドへ降ろされると、翔太さんに唇を塞がれた。

「ん……。ふ……」

昨日より、翔太さんの私に触れる力が強い。それが、今の彼の気持ちなのかな……。

息が乱れる私に、翔太さんも肩で息をしながら見つめている。

「正直、ここまで女性を愛おしいと思ったことはなかった。彩奈、お前のことは絶対誰にも渡さない」

「翔太さん……。私は、翔太さん以外の人には、心を奪われたりしませんから」

彼の想いに応えるように、私からキスをした。唇に触れるだけの軽いキスだけれど、まるでそれが合図かのように、翔太さんはためらいなく服を脱ぎ捨てる。

「彩奈……。お前の隣にいるのは、俺だけだから」

「はい……。もちろんです」

翔太さんの独占欲が、私には嬉しく思える。祐一さんのことは、ハッキリと話をしよう。彼がモヤモヤした気持ちでいないように……。

「余計なことを、今は考えるなよ。ちょっと、気がそぞろな感じがする」

私の体にキスを落としながら、翔太さんがそう言った。まるで、私の心の中を見透かしているよう……。

「ごめんなさい。でも、私の心はもう翔太さんでいっぱいです……」
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