イジワル専務の極上な愛し方
すると、少し驚いた表情をした翔太さんも、ゆっくり起き上がり、私を真剣な眼差しで見つめた。

「翔太さん、私は祐一さん対して未練なんてありません。彼が私をどう思っていても、私には翔太さんだけですから……」

それは分かってほしい。そのつもりで、私も強い眼差しで彼を見た。

翔太さんの反応を緊張して待っていると、ゆっくりと抱きしめられ驚いてしまった。

「しょ、翔太さん……?」

不快な思いをさせたのだろうと、きつい態度も覚悟していたのに……。

「ありがとう。彩奈を疑ってるわけじゃない。ただ、浅沼社長の挑発具合が気になって」

やっぱり、私は翔太さんを不安にさせていたんだ。それが、とても切なくて、もっと自分の想いを口にしなくてはと思ってしまう。

「祐一さんがどうして、翔太さんの前であんな風に言ったのか、全然分からないんです。私に、未練があるのかさえも」

「そうか……。ごめん、浅沼社長のことは、もう気にしなくていい」

「でも……。それじゃあ、翔太さんがモヤモヤしませんか?」

翔太さんには、すっきりした気持ちでいてほしい。そんな思いで問いかけると、彼は小さく首を横に振った。

「彩奈が、いつまでも浅沼社長を気にかけていることのほうが、俺には耐え難い」
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