イジワル専務の極上な愛し方
キツイ言い方に聞こえるかもしれないけれど、祐一さんにはハッキリ言いたかった。

「まだそんなことを言っているのか。いいのか? 専務との取引が白紙になっても」

挑発的な彼を、私は睨むように見た。

「それと、これとは関係ないと思います。祐一さんにとっても、取引は大事じゃないですか?」

少し歩調を速めると、祐一さんもそれに合わせる。どうして、私についてくるのだろう。

その疑問と不審に思う気持ちが顔に出ていたのか、祐一さんはフッと笑って言った。

「実はさっき、真中専務へアポの時間を変更させてもらってね。今から、向かうところで彩奈に出くわしたんだよ」

「そうなんですか……」

きっと翔太さんは、私のほうへ連絡する余裕がなかったんだろうな。それにしても、嬉しくない偶然……。

「だから、一緒に行こう。俺は、ずっと彩奈に会いたかった)

「な、なにを言ってるんですか?」

今さら、そんなことを言われても困るだけ。それも、仕事中に……。

「本当だよ。それに彩奈、真中専務と付き合ってないか?」
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