イジワル専務の極上な愛し方
今日の打ち合わせは、専務室で行われることになった。本来なら、社長室のほうへこちらが行くべきところだけれど、社長からの申し出で専務室で行われる。
社長は何度か見かけたことはあるし、電話応対などもしたことがある。まったく知らない方ではないけれど、今は翔太さんと付き合っているという事実があるからか、社長を迎えることにかなり緊張していた。
「真中社長、ご無理を申し上げて、大変失礼をいたしました。そして、ありがとうございます」
社長を専務室へ通すと、祐一さんが真っ先にソファから立ち上がり、挨拶をした。
社長は、肉付きのいい体格で、眉間に深いシワがある。だからか、真顔だと威圧感を放っているように見えた。実際、厳しい人なのだろうけれど……。
「いや、いや。これほど、熱心に売り込む人も、最近は珍しいからね。ちょうど時間があったから、きみの話を聞いてみよう」
穏やかな口調の社長は、ほんの少し目を細めている。私から見れば、威厳たっぷりの社長がどこか翔太さんと似ていて、目で追ってしまっていた。
「ありがとうございます。それでは、本当に突然なのですが、取引をできるだけ円滑に進めるために、専務と秘書の田辺さんのご関係をハッキリさせていただきたいと思いまして」
「なに?」
社長の表情は一気に険しくなり、翔太さんに視線を向けた。相変わらず彼はポーカーフェイスだけれど、私はかなり動揺してしまっている。
本来なら、お茶を入れに退出をしなければいけないのに。
「どうぞお座りになってお話をしませんか? 彩奈も、一緒に」
この場で、私を”彩奈”と呼ぶ祐一さんに、ありたっけの軽蔑の目を向ける。社長の同席を望んだのは、このためだったというの?
もしそうなら、心底彼に嫌悪感を抱く。今は、業務中でプライベートな時間ではない。それなのに、話が私と翔太さんの関係だなんて……。
状況が掴めない社長は、不本意な表情を浮かべながらも翔太さんの隣へ座った。
社長は何度か見かけたことはあるし、電話応対などもしたことがある。まったく知らない方ではないけれど、今は翔太さんと付き合っているという事実があるからか、社長を迎えることにかなり緊張していた。
「真中社長、ご無理を申し上げて、大変失礼をいたしました。そして、ありがとうございます」
社長を専務室へ通すと、祐一さんが真っ先にソファから立ち上がり、挨拶をした。
社長は、肉付きのいい体格で、眉間に深いシワがある。だからか、真顔だと威圧感を放っているように見えた。実際、厳しい人なのだろうけれど……。
「いや、いや。これほど、熱心に売り込む人も、最近は珍しいからね。ちょうど時間があったから、きみの話を聞いてみよう」
穏やかな口調の社長は、ほんの少し目を細めている。私から見れば、威厳たっぷりの社長がどこか翔太さんと似ていて、目で追ってしまっていた。
「ありがとうございます。それでは、本当に突然なのですが、取引をできるだけ円滑に進めるために、専務と秘書の田辺さんのご関係をハッキリさせていただきたいと思いまして」
「なに?」
社長の表情は一気に険しくなり、翔太さんに視線を向けた。相変わらず彼はポーカーフェイスだけれど、私はかなり動揺してしまっている。
本来なら、お茶を入れに退出をしなければいけないのに。
「どうぞお座りになってお話をしませんか? 彩奈も、一緒に」
この場で、私を”彩奈”と呼ぶ祐一さんに、ありたっけの軽蔑の目を向ける。社長の同席を望んだのは、このためだったというの?
もしそうなら、心底彼に嫌悪感を抱く。今は、業務中でプライベートな時間ではない。それなのに、話が私と翔太さんの関係だなんて……。
状況が掴めない社長は、不本意な表情を浮かべながらも翔太さんの隣へ座った。