イジワル専務の極上な愛し方

◇ ◇ ◇

「彩奈、本気で言っているのか?」

仕事が終わり、翔太さんのマンションへ帰った私は、祐一さんに会いにいきたいと彼に話した。

ウォークインクローゼットでスーツのジャケットを脱ぎながら、彼は険しい顔をする。

だけど私は、強く頷いた。

「はい。やっぱり、きちんと話し合ったほうがいいと思って。だいたい、祐一さんが本気でやり直したいのか、それすら疑問です」

もしかしたら、取引をゆするネタ……のように考えている可能性だってある。

最初に顔を合わせたとき、祐一さんは驚いていたけれど、私に未練を持っているようには見えなかった。

翔太さんと付き合っているのかもしれないと気づいて、“未練がある”と言ってきた可能性だってあるから。

「だけど彩奈、もし彼が本気だったら?」

「え?」

翔太さんは、真剣な眼差しで私を見つめている。その迫力に、思わず息を呑んだ。

「彼の本当の気持ちは、彩奈にだって分からないかもしれないだろ? 浅沼社長は、お前に未練を持っていたかもしれないじゃないか」
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