イジワル専務の極上な愛し方
翔太さんはそう言って、ゆっくりと私の唇をキスで塞いだ。

そこに、彼の私への気持ちが集約されているようで、いたたまれなくなってくる。

私が、祐一さんに会いに行くのは、やめたほうがいいのかな……。

だけど、あんな無茶苦茶な要求を、翔太さんにまともに聞かせるわけにはいかない。

熱いキスを交わしたあと、翔太さんはゆっくりと唇を離した。

「いいか、彩奈。浅沼社長には、絶対に会いにいくな。約束だ」

真剣な眼差しを向けられ、これ以上彼を煩わせたくないと、その気持ちが強くなる。

「分かりました。ただ、次の祐一さんとの打ち合わせには、私も同席させてもらえませんか?」

自分から彼に、受け入れられる条件ではないと、ハッキリ伝えたい。

「いいよ。次回は、そうしよう」

「ありがとうございます」

翔太さんからお許しをもらい、少しホッとする。そうしている間にも、私のスマホに着信が入っていた。

マナーモードだったからか、気づいたのは就寝前。電話の主は、祐一さんだったけれど、私は折り返すことはしなかった。

電話ではなく、直接話したいから。祐一さんからの電話には、出る必要なんてない──。
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