イジワル専務の極上な愛し方
祐一さんとの次の打ち合わせが決まることもないまま、あれから一週間が過ぎた。
祐一さんからの連絡は会社にも私のスマホにもなく、翔太さんからもコンタクトを取っていないみたい。
その間、私と翔太さんは通常どおり業務をこなして、プライベートでは変わらず彼との甘い時間を過ごしている。
といっても、社長に会えていないことが常に引っかかっていて、どこか落ち着かない気持ち。
翔太さんが何度か連絡をしてくれているけれど、社長も多忙でこちらとなかなか都合が合わない。
だけどようやく、社長に時間ができて、私たちは金曜日の夜に会う約束ができた。
祐一さんとのあの打ち合わせから、約二週間が過ぎていた。
「とても、緊張しますね……」
社長が場所を決め、会社から車で十分ほどのホテルのレストランを指定されている。
業務が終わってから、私たちは翔太さんの車で向かった。
「そうだな。ただ、俺は彩奈との付き合いを、絶対に認めてもらうつもりだから」
ハンドルを握る彼が、強い口調でそう言う。もちろん今夜は、社長に私たちの交際をきちんと話すつもりでいる。
祐一さんの発言だけで、曖昧なままになっていたから。
汗ばみそうなくらいに緊張するけれど、貴重な時間を割いてもらうのだから、きちんと話しをしよう。
翔太さんの力強い言葉に、私は少し勇気をもらった。