イジワル専務の極上な愛し方

「どうして、そんなことが言い切れるんですか？」

会社をバカにされるのは、翔太さんもバカにされているように聞こえる。さらに苛立った私は、キツイ口調になっていた。

《今まで、見向きもしなかった業界じゃないか。薄利ということでね。今さら、手を組みたいと言っても、いい顔する会社はないだろう、》

そういうことなんだ……。祐一さんが、しきりに翔太さんとの交際をやめておけと言うのは、周囲でよくない噂を聞いているからかもしれない。

きっと女性関係に限らず、仕事面でもよくないことを言う人がいるんだろう。

でもだからといって、祐一さんが心底私のために言っているとも思えない。

再会してから今日までの間で、それは確信している。付き合っていた頃の彼を知っているからこそ、今の祐一さんには裏があると感じていた。

「誰がなんと言おうと、私は祐一さんとはやり直しません。もう、過去の思い出ですから」