イジワル専務の極上な愛し方
そう言い切って電話を切る。祐一さんに対しては、恋愛感情は微塵もないことを伝えたかった。

だけど、それならうちの会社との取引は、本当に成立させないつもりなのかな。

ただ、祐一さんにとっても、うちと業務提携は、大きなメリットになるはず。

私一人のために、仕事で利益になることをやめるなんて、考えづらいけど……。

たとえば、祐一さんが翔太さんを個人的に好きではなくて、嫌がらせの意味で私とのことを引っ張り出してきたとか……？

それなら、まだ希望は残っているかもしれない。会社としても、今回の取引は成功させたいのだから、もっとまともな条件で祐一さんと話し合えたら……。

そうだ、翔太さんに相談してみよう。祐一さんから電話があったことも、隠さないでおきたいし……。

翔太さんが書斎から出てきたのは、お昼を回ってから。外でランチをすることになり、祐一さんの話をすると、驚きでしばらく無言になられたくらい。

でもそのあと、翔太さんはキッパリと言ってくれた。

「必ず成功させるから、彩奈が不安に思わなくていい」

力強い言葉を、私にかけてくれた──。
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