イジワル専務の極上な愛し方
翌、日曜日は、翔太さんは会社に行ってしまった。

『彩奈は、休日出勤になってしまうから』という理由で、私はマンションに残ったのだけれど、翔太さんはなにをしに行ったんだろう……。

あきらかに、急遽決まった出勤だったけれど。


「コーヒーです」

月曜日には、いつもどおり私も出勤をし、普段と変わらず彼のデスクにコーヒーを置く。

「ありがとう」

翔太さんは、パソコンを早打ちしながら、どこかへメールをしているようだ。

さすがに中身を覗くわけにはいかず、気になりながらも視線をパソコンからそらした。

「翔太さん、日曜日は急なお仕事だったんですか? ご報告がなかったので……」

秘書として、彼の仕事を把握する必要もある。聞く権利はあると思い尋ねると、翔太さんは小さな笑みを見せた。

「個人的なね。さすがに、彩奈に報告するほどじゃないよ。それより、午後からのスケジュールを教えてくれる?」

「は、はい……」

一度秘書室に帰り、タブレットを取って戻る。

事務的にスケジュールを伝えると、翔太さんは空き時間に外出してくると言ってきた。
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