イジワル専務の極上な愛し方
「お前を手に入れるためなら、どんなことでもできる。正直、浅沼社長との取引が中止になったのは痛かった。だから、なにがなんでも挽回しないとな」
至近距離の翔太さんからは、甘くて上品な香りがする。本当に、この香りは大好き……。そういえば、祐一さんが言ってたな。
私から、翔太さんと同じ匂いがするって。いつの間にか、彼の香りが移っていたのかと思うと、妙にこの匂いが愛おしく感じる。
「祐一さんは、たしかに実業家として注目されています。でも、アイシー&ビーほどの大手が、どうして祐一さんの会社と取引をしたいと思ったんですか?」
最初から、久遠寺グループではダメだったのかな。そんな素朴な疑問を抱くと、翔太さんはため息をついた。
「彼のビジネスセンスは、とても参考になる。人間性を除けば、ぜひ仕事を一緒にしたいと思わせられる相手だったんだが……」
「肝心な部分が、足りないってことですね」
苦笑を浮かべる私に、翔太さんは小さく頷く。
「浅沼社長、本当にお前に本気なんだな。みすみす、ひとつの仕事を棒に振るわけだから」
「そんな……。私には、彼が真剣に私のことを考えていたとは思えませんでしたけど」
「彼なりのプライドも、あったんじゃないか? 彩奈をフッた手前、余裕ぶっていないといけなかったとか」
そうなのかな……。そうだとしても、私の心を動かすことはできない。私には、翔太さんしか見えないから。
「浅沼社長に、後悔をさせよう。久遠寺グループとの取引の交渉は、実は前から出ていたもので、水面下での調整をしていたんだ」
「そうだったんですか。全然、知らなかったです」
じゃあ、上層部で進めていた話なんだろうな。祐一さんの穴埋めってわけでは、なかったってことか。
「彩奈にでも、話せないことはあるから。ただ、俺の秘書として、これからもずっと支えてほしい。それは、とても重要なことなんだ。分かるだろう?」
「はい。本当に、ワガママ言ってごめんなさい」
「ワガママなんて、言ってないじゃないか。初めてだよ、仕事でもプライベートでも、ずっと側にいてほしいと思う女性に出会ったのは」
そう言った翔太さんは、私を優しく抱きしめる。ここは専務室だとういうのに……と、半分理性が働くものの、やっぱり彼の温もりから離れることができなかった。
「翔太さん、嬉しいです……」
至近距離の翔太さんからは、甘くて上品な香りがする。本当に、この香りは大好き……。そういえば、祐一さんが言ってたな。
私から、翔太さんと同じ匂いがするって。いつの間にか、彼の香りが移っていたのかと思うと、妙にこの匂いが愛おしく感じる。
「祐一さんは、たしかに実業家として注目されています。でも、アイシー&ビーほどの大手が、どうして祐一さんの会社と取引をしたいと思ったんですか?」
最初から、久遠寺グループではダメだったのかな。そんな素朴な疑問を抱くと、翔太さんはため息をついた。
「彼のビジネスセンスは、とても参考になる。人間性を除けば、ぜひ仕事を一緒にしたいと思わせられる相手だったんだが……」
「肝心な部分が、足りないってことですね」
苦笑を浮かべる私に、翔太さんは小さく頷く。
「浅沼社長、本当にお前に本気なんだな。みすみす、ひとつの仕事を棒に振るわけだから」
「そんな……。私には、彼が真剣に私のことを考えていたとは思えませんでしたけど」
「彼なりのプライドも、あったんじゃないか? 彩奈をフッた手前、余裕ぶっていないといけなかったとか」
そうなのかな……。そうだとしても、私の心を動かすことはできない。私には、翔太さんしか見えないから。
「浅沼社長に、後悔をさせよう。久遠寺グループとの取引の交渉は、実は前から出ていたもので、水面下での調整をしていたんだ」
「そうだったんですか。全然、知らなかったです」
じゃあ、上層部で進めていた話なんだろうな。祐一さんの穴埋めってわけでは、なかったってことか。
「彩奈にでも、話せないことはあるから。ただ、俺の秘書として、これからもずっと支えてほしい。それは、とても重要なことなんだ。分かるだろう?」
「はい。本当に、ワガママ言ってごめんなさい」
「ワガママなんて、言ってないじゃないか。初めてだよ、仕事でもプライベートでも、ずっと側にいてほしいと思う女性に出会ったのは」
そう言った翔太さんは、私を優しく抱きしめる。ここは専務室だとういうのに……と、半分理性が働くものの、やっぱり彼の温もりから離れることができなかった。
「翔太さん、嬉しいです……」