生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「俺はそんなに怪しい人間に見えますか?」
「いえ、そういう訳では…。」
まさに考えていた事を指摘されて、私はどぎまぎする。
「そんな心配はいりませんよ。あなたが決められないのなら、俺は遠慮なく家まで送らせてもらって、ラインも交換させてもらいますよ。」
「えっ?」
私はあまりにも驚いて、その人を見上げた。
「足の状態も気になるけれど、このままお別れするのは勿体ないですから。」
「はい?」
「さぁ、行きますよ。」
その人は氷を芝生に捨てると、タオルを絞りながらそんな事を言う。
私が動かないのを見ると、そっと両手を掴まれた。
「立ち上がれますか?」
そして軽々と私を引き上げる。