生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「世話が焼ける弟だな。」

将人が私に嫌味を言う。

「ホントだね。」

そして将人の頬にキスをした。

「私の言えない事まで言ってくれてありがとう。」

「ん…。」

将人の手が私の腰をとらえた。

そのままぐっと身体ごと引き寄せられる。

「宏弥のためだと思いながら、俺のためでもあるからな。」

私は不思議そうに、その至近距離の将人の顔を眺める。

「…これで二人きりになれる。もう今晩は宏弥もここに戻って来る事はないだろう。」

そして私の額に唇をよせる。

「朝弥、早く宏弥から合鍵を返してもらえ。いつあいつが入って来るか、冷や冷やするのはもうごめんだ。」

< 101 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop