生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「えっ?」

私はびっくりして、横田先生に視線を合わせる。

「うまくいってないんでしょ?吉永先生と。そんなのすぐに分かっちゃうんですからね。」

そして横田先生は声を落とした。

「…実は、宏弥も二人の事をすごく心配しているんですから。」

「えっ?」

「宏弥も大人になったって事ですよ。」

横田先生は30歳の男を捕まえてそんな事を平気で言う。

思わず私は笑ってしまった。

「早く仲直りしないと…。」

横田先生は真顔になった。

「今度は仲直り出来なくなってしまいますよ。どちらが動くんでしょうね。」

ガラッ、ドアが開く音がして、誰かが保健室に入ってきたようだ。

私達は一瞬押し黙る。

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