生真面目先生のちょっと大人の恋の話
その力強さに私はなすすべもない。

「…ありがとうございます。でも、ちゃんと一人で帰れますから。」

私はそういうのがやっとだ。

「あのね、人を疑う事も必要かもしれませんが…。」

その人は大きく溜息をつく。

「人の親切に素直に甘えてもいい時もあると思いませんか?」

だってそんな事を言われても…。

私はマジマジとその人の様子を見た。

確かに大柄なその身体からはスポーツマンらしい爽やかさを醸し出している。

う~ん…、確かに悪い人には見えないけれど、自宅まで教えてしまって良いんだろうか。

私は何気に一歩踏み出そうとした。

その瞬間、足にうまく力が入らずにふらついた。

「ほら、そんな状態なのに、一人で帰らせるのはこっちが心配です。」

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