生真面目先生のちょっと大人の恋の話
12
私は右手に重さを感じて目を覚ます。

どうやら朝早い時間のようだ。

まだカーテンの向こうが薄暗い。

「えっ?」

私の右手の上に顔がある。

ちょうど私の手の甲に、その人の頬の柔らかさを感じる。

私は慌てて手を引き抜こうとする。

「ん…、起きたのか?」

その声に私の身体はビクンと反応する。

顔を上げたのは将人だった。

「…どうして?どうやってここに入ったのよ?」

私は驚いて、はね起きそうになる。

将人はそんな私の右手を握った。

「気分はどうだ?」

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