生真面目先生のちょっと大人の恋の話

将人は静かに私の額に手を当てる。

「もう熱は下がったようだけれど、もう一日学校は休めよ。」

私の驚きの表情を優しく見つめる将人。

「宏弥に聞いて、大家さんの所に行ってきた。」

一体将人は何を言っているんだろう。

「宏弥から電話をしてもらって、大家さんに玄関を開けてもらった。そしてここへ入った。」

私はもう驚く事にも疲れて、ただ将人の顔をぼんやりと見る。

「…宏弥に迷惑を掛けちゃったわね…。」

私はぽつりとつぶやく。

「大家さんにこれからこの家に頻繁にお邪魔することになりますので、よろしくお願いしますと挨拶した。」

「そう…。」

もう私には怒る気力もない。

「朝弥？何にも反応してくれないんだな。」