生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「もう私、出るから。ごゆっくり。」

私は振り向きもせずに、慌てて風呂場から出た。

「おい、朝弥…。」

そんな将人の声を振り切る。

将人が出てくる前に、何とか身支度を整えたい。

あんな夜を過ごした私に朝日がまぶしい。

自分が自分でないみたいで…。

「うわっ!」

昨日の事を思い出して、私は焦って声を上げてしまった。

「朝弥、どうした?」

髪をふきながら将人が近寄って来た。

「うわっ!」

その事に驚いて、私はまた声を上げてしまう。

「なっ、何でもない。」

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