生真面目先生のちょっと大人の恋の話
16
福田先生と横田先生が保健室で私達の話をにこやかに聞いてくれたその後。

「宏弥には自分で話をしますか？それなら私は黙っていますけど。」

横田先生の言葉に私と将人は顔を見合わせる。

そう、もう一人厄介な人がいた事を忘れていた。

「あれから宏弥はうちに転がり込んでいるんです。毎日顔を合わせるから、ついぽろっと話してしまった時が怖いです。」

横田先生はそんな事を言いながら、余裕で笑う。

「じゃあ、横田先生と宏弥は同棲するの？」

珍しく将人が食い付く。

「ここまで来ると、部屋を二つ借りているのはもったいないって話にはなっているんですだけど、何だか宏弥らしくなくって。」

横田先生は何だか納得できないような表情を見せる。

「吉永先生に対抗心を持っているような気がするんです。そんなの私は気に入らないんですけどね。」

「そんな風に考えなくてもいいんじゃないか？吉永先生が現れた事によって、宏弥も良い影響を受けているんだろう。」

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