生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「朝弥が同棲するからなんじゃないかって凄く疑われて…。」

将人と私は一緒に宏弥の様子を伺う。

「…まだ返事がもらえてない。きちんとした誠意を見せろという事だった。」

いつも自信満々の宏弥が明らかにうろたえている。

「へぇ~、宏弥も横田先生には頭が上がらないんだな。」

私なら決して言わない言葉を、将人は宏弥に投げる。

珍しく宏弥は溜息をついた。

「確かに朝弥に将人が現れて、俺もこいつなら任せられると踏んで、自分の事を考えられるようになったんだが…。亜由美はそれがすごく気に入らないみたいだ。」

「宏弥…。」

宏弥から将人を認める言葉が出て、私はその事に気を取られる。

でも宏弥はそんな事よりも、自分と横田先生の事で頭がいっぱいのようだ。

「横田先生にそう伝えたらいい。」

将人が私の肩を抱いた。

< 176 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop