生真面目先生のちょっと大人の恋の話

「俺達が羨ましかったから、結婚したくなったって言ったら良いじゃないか。大きな決断にはそれなりのきっかけが必要だ。だからそう言ったら良い。」

将人が私の額にキスをした。

宏弥ははぁ～と息をはいた。

「俺は亜由美には何を言わなくても伝わっていると思い込んでいたようだ。」

「そうね、宏弥は私には口うるさいのに、横田先生にはいろいろ考えてから行動しているように思うわ。」

私は将人に笑いかける。

「お蕎麦の用意が出来ているの。宏弥も食べて行く？」

私の言葉に宏弥は顔を横に振る。

「亜由美のところに戻って、誠意を見せてくる…。」

宏弥はきりっとした迷いない表情を見せた。

「頑張ってね。」

「俺はいつもここから亜由美に勝負を掛けに行くみたいだな。」

宏弥は満足そうな表情を見せた。