生真面目先生のちょっと大人の恋の話
私は将人と宏弥を送り出した。

「宏弥の誠意ってどんな感じなんだろうね。」

私の一言に将人も笑う。

「とりあえず腹ごしらえをしてから、荷物を運ぼう。」

大学では寮に居て、今は知り合いに間借りしているから荷物には家電がない。

将人は自分の車に自分の荷物を積み込んで来た。

「俺が身体だけ朝弥にもらってもらうみたいだな。」

蕎麦を啜りながら、将人はご機嫌だ。

「そう言えば…、将人、冷やさなくてもいい?」

私はそっと将人の左頬に手を持っていく。

「えっ、気が付いていたのか?」

「当たり前じゃない。もしかして…、宏弥?」

私はおずおずと将人に聞く。

「まあな。朝弥に会うまでに話をつけようと思ったら、一回殴らせろって言われた。」

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