生真面目先生のちょっと大人の恋の話

しかも…、今年は桜が満開だ。

決まった時期に行われるウォーキング大会なのにその景色は毎年違う。

まだ桜がほころび始めたばかりだったり、逆にもう葉桜になりかけていたり、その年ごとに全く違う様相なのだ。

でも今年ほど桜がきれいな年は初めてだ。

コースのそばの公園では、桜の下でお弁当を広げている姿も見る。

「良い景色だな。」

私はポツリと呟きながら歩く。

そんな調子で最初は順調だった。

でも一人で歩くというのは、ペースをつかみにくい。

「やっぱりオーバーペースだったのかな。」

段々、疲れを感じ始めた中間地点。

まだ半分…。

いつもは隣にいる宏弥（こうや）の姿を思い浮かべる。

毎回宏弥におんぶにだっこの私だ。