生真面目先生のちょっと大人の恋の話
吉永先生はニヤリと笑った。

「保健室に寄っていくんだろう。」

「えっ?高等部に行かなくていいのですか?」

私はやっと言葉を発した。

「そんなの一ノ瀬先生と二人っきりになる口実に決まっているだろう。今日の所はこれまでだ。」

吉永先生はゆっくりと歩き出す。

そして一度歩みを止めると、私の方に振り向いた。

「また明日な、朝弥。」

そして何事もなかったように去っていった。

私はしばらくそのまま立ちつくしていたが…。

我に返った私は保健室へ向かって歩き出す。

まだ胸のざわつきが納まらない。

一体吉永先生は何を考えているんだろう。

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