生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「はっ?」

私がこの場面で一番想定していなかった言葉が、吉永先生の口からこぼれた。

「俺がお前の自宅や連絡先を知りたいのも、彼氏の存在を気にしているのも全部同じ事を指していると気が付かなかったのか?」

私はウォーキング大会で置いてきぼりにした事を根に持って、からかわれているとばかり思っていた。

「それに朝弥に逃げられたことをショックだと、それに朝弥が忘れられなかったとも伝えたつもりだけれど、聞いていなかったのか?」

確かに、それらを集めていけば、そうなるのかもしれない。

「福田先生といい、こないだの男といい、朝弥の周りは気になる男ばかりだし。」

私は唖然とする。

「気になっているから、抱きしめたし、キスもした。これは俺が自分を抑えられないだけだったけどな。」

吉永先生は一瞬恥ずかしそうな表情をした。

「そんなの…、そんな風に思っていなかったら分かりませんよ。」

私は思わず大きな声を出す。

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