生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「宏弥は高校を卒業して、さっさと自分の道を見つけたわ。私はまだ全然自分が何をしたいか分からなくて、もやもやしたまま大学に進学したんです。」

何故か私は吉永先生にそんな話をし始めてしまった。

両手で頬杖をついて、吉永先生が興味深い表情を見せる。

「こんな話、つまらないわよね。」

私は話を切って、目を伏せた。

「俺は朝弥の事をもっと知りたい。続けてよ。」

吉永先生に面と向かって言われると、私は急に恥ずかしくなった。

「もう、いいです。」

私は苦笑いをする。

「それよりさ、その宏弥って奴とはそんなに長い付き合いなのか?」

「だって宏弥は…。」

私は慌てて口をつぐむ。

「まあ、そんな事はどうでもいいさ。」

吉永先生は話題を変える。

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