生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「朝弥は国語教師としては何が専門になるの?」

さすが大学に長くいただけある。

そんな質問の仕方だ。

「私は夏目漱石が好きで、近代文学を専攻していたんです。」

これで吉永先生に通じるのかな。

「あんまり詳しい事はわからないけど、何となく朝弥らしいかもな。」

本当ならここで吉永先生の専門も聞くところなんだろうけど…。

さっきの状況を思い出すと、それはやめておいた方が良いみたいだ。

「…今日は時間が有るか?」

ぼそりと吉永先生が言った。

「こないだの続き…、ですか?」

私は怪訝そうに聞く。

「もう、そんなに欲張らないよ。まずは食事にでも行かないか?いろいろ話がしてみたい。」

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