生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「そうですね、ここに宏弥が入る時もあります。」

福田先生がそう答える。

吉永先生は何となく釈然としないようにうなずく。

「ああ、宏弥っていうのは、俺の高校の同級生で、この横田の彼氏。」

吉永先生は驚きの表情をして、私の方を見た。

横田先生がにっこりとして、付け加えた。

「宏弥は一ノ瀬先生の双子の弟なんですよ。」

私はしまったという表情が隠し切れなかった。

「ちなみに俺は既婚者。可愛い3歳の男の子がいる。」

福田先生の言葉に、吉永先生は私を睨む。

「私、嘘は言っていませんよ。余計なことは言わないだけです。」

吉永先生のその鋭い視線に私はたじろぐ。

「…今日は楽しいお酒になりそうだな。いろいろな事が聞けそうだ。」

吉永先生のそのつぶやきは私にしか聞こえなかったに違いない。

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