生真面目先生のちょっと大人の恋の話

怪訝そうに、吉永先生に鋭い視線を向ける宏弥。

「まあ、昨夜いろいろあったのよ。横田先生も一緒だったから、また聞いてみて。やましい事は何もないから。」

多分この状況で私が何を言っても、宏弥はきっと信じないだろう。

「お前の説明はいつも分かりにくい。」

単純明快な宏弥は不機嫌だ。

「一ノ瀬先生にはお世話になっています、吉永と言います。」

吉永先生は宏弥とは対照的に落ち着いて挨拶をする。

「こいつは昨晩ここに泊まったのか？」

宏弥はますます機嫌が悪くなっていく。

「宏弥、ごめんね。もうウォーキングは行った後なの。」

私は顔の前で手を合わせる。

「そんな事はどうでも良い。こいつとの関係は？」

私は思わず笑ってしまい、宏弥に睨まれる。

吉永先生も、宏弥の事をこんな風に聞いて来た事を思い出してしまったからだ。