生真面目先生のちょっと大人の恋の話

「俺は朝弥さんのことを気に入っているんですけど、なかなか受け入れてもらえなくって。」

吉永先生は少し困ったような表情を見せる。

宏弥の片眉が上がったような気がする。

「横田先生という彼女が居るなら、良く分かりますよね。大事な人に思いが受け入れてもらえることがどんなに幸せか。」

一瞬、宏弥がひるんだ。

「昨晩横田先生とお会いしました。今日宏弥さんと会って、何となく二人はお似合いだなって感じました。羨ましいです。」

ああ…、宏弥が何も返せない。

思ったより、頭がいい人なんだな。

宏弥を逆なでしないように、上手に転がしている。

そこで私が宏弥に助け舟を出す。

「宏弥の負けだよ。さあ、ウォーキングに行ってらっしゃい。今日は出勤なの？」

冷静に対応している時点で、吉永先生の方が上手だ。