生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「こういうケアには慣れていますから。そう言えば、自宅はこの近くですか?」

その人のサングラス越しに目がばっちりと合った。

私はその近さに息を飲む。

「電車で2駅ほどです。」

私は視線をふくらはぎに戻し、ドキドキしながら答えた。

「そうですか。俺は最近この辺に引っ越ししてきたんです。まだこの辺はあまり詳しくなくて。」

少し恥じらいながら、その人は笑った。

「もし良ければ、送っていきましょうか?」

私は慌ててその申し出を断る。

「そんな事までして頂いたら申し訳ないです。本当にもう大丈夫だと思いますから。」

するとその人はもう一度私のふくらはぎを見る。

「いいえ、送らせてもらいます。途中で動けなくなったら大変ですから。」

確かにこの人なら何かあった時、私くらい軽々と持ち上げてしまうだろう。

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