生真面目先生のちょっと大人の恋の話
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私は学校に出勤する前に、いつものようにウォーキングに出掛けようとしていた。
「おーい、朝弥。」
私を呼ぶ声を聞いて、慌てて玄関を開ける。
「おはよう、宏弥。」
私は疲れ切った宏弥を出迎える。
「やっと仕事を交代してきた。今からお前とウォーキングしてから帰って寝る。」
「無理しなくてもいいんじゃないの?」
私がそんな事を言っても宏弥は絶対譲らないと思いながらも、いつものようにそう言ってしまう。
「俺のペースだから大丈夫。」
そんな様子の宏弥を待たさないように、私は慌ててシューズを履いた。
「今日から新学期か。」